斜陽の窓辺

多くの人の目に触れると都合の悪い人生。

3年生-1

三年生になる年、引っ越して来た住所の学区内に新しい小学校が建設された。

小学校はこれで3校目だった。


クラスの男子と牛乳の早飲み対決をして鼻から噴き出したことが記憶に残っている。

なんとも子供らしい無邪気な馬鹿っぷりである。


何故かこの頃から、鼻水を垂らす子供のような頻度で鼻血を垂らしていた。

授業中、鼻水が垂れて来たので洋服の袖で拭ったら袖口が血だらけになり、ティッシュを持っていく習慣がない私はどうしたら良いか分からず、廊下の手洗い場で鼻血を垂れ流し続けた。

そこへ上級生が通りかかって、保健室へ連れて行ってくれた。

対処法が思い付かずにアホな行動をとっている私に彼女はとても優しかったんだ。


当時はまだシラミとギョウ虫検査があった。


Sさんという可愛らしい女の子がいて、その子がシラミ検査に引っかかって泣いていたのを憶えている。


そして私はギョウ虫検査に引っかかった。再検査では問題なかったが念のためと、暫くの間チョコレートの虫下しを食べていた。


全てクラスメートの前で発表されるため、Sさんは泣いてしまっていたが、私は何が悲しくて泣いているのか分からなかった。

泣くほどの問題だと思っていなかったのだ。


しかしその数年後にその子が何故そんなに泣いていたのか理解する時が来る。


無邪気で知的水準の低いアホで馬鹿な私は、この頃を境に世の中の不条理に少しずつ埋もれていく。